内容紹介
俳聖・芭蕉の遺した
366の名句を毎日味わう
俳句を芸術の域にまで高め、
「俳聖」と崇められる松尾芭蕉。
その生涯に遺した句は多くの人々に愛され、
生きる力を与えてきました。
本書は、芭蕉研究70年にもなる境野勝悟氏が、
現代人にも親しみやすい名句を厳選し、
一日一言形式にまとめたもの。
難解とされる芭蕉の句を平易な散文詩にし、
そこに込められた思いを表現するとともに、
端的でかつ味わい深い解説を各日に付しています。
「よく見れば薺(なずな)花咲く垣根かな」
「古池や蛙飛び込む水の音」
「野ざらしを心に風のしむ身かな」
など人口に膾炙した名句をはじめ、
「つゐに無能無芸にして、只此一筋に繋(つなが)る」
「四時を友とす」
「物の見えたる光いまだ心にきえざる中にいいとむべし」
など、俳文中に見られる名言・金言も採録。
身近な日常の中に材を見出す感性と鋭い観察眼は、
私たちの日常を見る視点をも変化させる力を宿しています。
「昨日の発句は今日の辞世、
今日の発句は明日の辞世。
わが生涯いひ捨てし句々、
一句として辞世ならざるはなし」
と述べた芭蕉。
その生涯を掛けて遺した名句の数々から、
きょう一日を楽しく生きるための知恵が
得られることでしょう。