親子で読み継ぐ万葉集
小柳左門、白駒妃登美・共著/竹中俊裕・画
1,760円(税込)
かつ親しみやすい歌を五十首選び、分かりやすい解説を加えた入門書。
一首ごとに見開きで構成、大きな文字で、それぞれの情景の思い浮かぶ
美しいイラストが添えられています。
『万葉集』をこよなく愛する2人の著者による、語りかけるような
文章が特長で、歌に込められた思いやその背景などが生き生きと語られています。
「石走る 垂水の上の 早蕨の 萌えいずる春に なりにけるかも」志貴皇子
(しぶきをあげて、勢いよく流れ落ちるほとりに、
早緑色の若い蕨が萌え出てきたよ、そんな春になったことだなあ)
「春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山」持統天皇
(春が過ぎて、もう夏がやって来たらしい。
ほら、真っ白い衣が干してあるよ、神聖な天の香具山に)
声に出して読んでみれば、歌の意味は分からずとも、自然を慈しむ気持ちが芽生え、
人に対する思いやりの心が育まれていくことでしょう。
親から子へと次世代に読み継がれてほしいという
願いを込めて作られた『万葉集』のベストセレクション。
その歌に力や慰めをもらう日がきっとあることでしょう。