内容紹介
近代的発展の幕開けたる明治初期。
光り輝く一面の陰で、西洋文明が一気に流入したことによって、
伝統的価値観や倫理観が喪失される恐れがあった。
その危機を救うためにつくられたのが、「教育勅語」である。
作成の中核を担ったのは、明治天皇の御心を汲んだ、
官僚井上毅と天皇の側近元田永孚。
政治色や宗教色を排し、上からの押しつけではなく、
古来「徳」によって統治してきた天皇にふさわしい言葉は何か。
道徳教育を立て直すため、心血を注いだ作業が進行した。
本書は、このような誕生における感動実話を中心に、
教育勅語の果たした役割や現代的な意義など、
礼賛でも批判でもなく、教育勅語の本当の姿を明らかにする、画期的な内容となっている。
今回の大震災に見られたような日本人の美徳の源ともいえる
教育勅語の精神にふれることで、日本人としてのよきDNAが目覚めてくるに違いない。
目次
はじめに
第一章 なぜ「教育勅語」が求められたのか
第二章 井上毅という人物
第三章 こうして「教育勅語」案は起草された――その誕生物語――
第四章 「教育勅語」が果たした役割
第五章 現代日本人にとっての「教育勅語」