内容紹介
「雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る」
「やれ打な 蠅が手をすり 足をする」
など、総勢2万句にも上るユーモラスな句を残した
俳諧の巨匠・小林一茶。
しかし、その苛烈を極めた生涯は、
一般にはあまり知られていません。
3歳で母と死別、継母のいじめ、苛烈な遺産相続争い、
4人の子の相次ぐ死、妻の死、離婚、母屋の焼失、
土蔵暮らしで迎えた最期……。
本書では、子供の頃から一茶の俳句を愛してきた齋藤孝先生が、
親しみやすい100句を厳選し、一茶の人生の歩みに沿って
名句を紹介しています。
五七五という短い音数の中に自らの心境を凝縮し、
思わず口ずさんでしまうほどの軽やかさで
表現した一茶。
苦難の連続の中にも小さな幸せを見つけ、
したたかに生きようとした一茶の姿=俳句は、
現代の生活のさまざまな場面で自分を支え、
励ましてくれることでしょう。
「痩蛙 まけるな一茶 是に有」
これまで親しみをもって触れていた俳句が、
深い悲しみの中から生み出されたものであることを知る時、
人生の悲愁を超えて力いっぱい生きようとした
生身の人間の姿が、胸に迫ってくるに違いありません。
「小林一茶名句百選」 ここがポイント!
1、小林一茶俳句入門の決定版
一茶の句をこよなく愛してきた齋藤孝先生が、
初心者にも親しみやすい100句を厳選。
大人の教養として身につけておきたい名句が並びます。
2、一茶の壮絶な人生を辿りながら、句を深く味わえる
幼少期で母と死別、継母からのいじめ、
遺産相続問題、4人の子の相次ぐ死……など、
名句誕生の裏に隠された波瀾万丈のストーリーを
辿りながら、紡がれた句を深く味わえます。
3、読めば心が軽やかになる
さまざまな試練や逆境と対峙しながら、
その壮絶な人生体験を、軽やかな句に
昇華させてみせた一茶の姿と珠玉の句が、
いつもあなたを支え、励ましてくれることでしょう。
4、関連句も含め、300以上の名句を収録
厳選した100の名句に関連する作品も、
それぞれ1~2句ずつ掲載。
「蛙」「蝸牛」「蝶」など、生き物の名句を紹介したページも。
5、齋藤孝先生によるイラストが20点以上
句の情景が浮かびやすくなるよう、
齋藤先生自らがペンを取り、丁寧に描いたイラストを
20点以上収録。一茶に対する愛情と熱が伝わってきます。