内容紹介
松下電器の営業課長から松下政経塾へ――。
突然の転勤命令を受けてからの13年間、
著者は「松下幸之助さんの壮大な思いを矮小化してはいけない」
との思いで塾生の指導に当たってきた。
著者が塾頭を務めていたとき、
その志に火を点したのが伝記作家・小島直記氏の次の一言だった。
「志の第一歩は、人生のテーマを持つことだ」
塾頭として、「仕事のテーマ」が次々と浮かぶ一方で、
「人生のテーマ」を設定していなかったことに気づき愕然とする著者。
そのことをきっかけに、以後真剣に人生のテーマを模索し続け、
「次代を担う青年を育てること」という人生のテーマを打ち立てる。
その志に生きるために、松下電器を退職。
自ら起ち上げて組織したのが「志ネットワーク」そして「青年塾」である。
「世のため人のために生きることを願う人たちの絆を結ぼう」
「我々だけでなく、次の時代を担う若い人たちにも、ぜひとも志高く生きてほしい。
そのための学びの場をつくろう」
その理念のもとに研修をはじめ様々な活動を行ってきた。
本書前半には、「100年の計を持った政治家がほしいんや」と言って
松下政経塾を興した松下幸之助の志・人づくりについて、
間近に仕えた者のみが知るエピソードが綴られている。
また、後半には『青年塾』の“つかみ取る教育”の実践が記されている。
「志を育てる」「主人公意識――教えません、つかんでください」
「苦労して学ぶ」「不自由・不便・不親切」「自己改革」などの
キーワードで表される人づくりのあり方は、現代人に欠けた視点を提示している。
目次
第一章 志なきところに繁栄なし/松下幸之助の志
第二章 戦後日本人が失った三つのこと/私の志
第三章 「主人公意識」を育てる/青年塾の教育(一)
第四章 人間力を高める/青年塾の教育(二)
第五章 誇りある生き方とは何か/使命感を育てる