内容紹介
二千数百年前に成立したといわれる『老子』は、人々に読み継がれ、禅をはじめ日本の伝統文化・精神にも多大な影響を及ぼしてきた。
本書は、長年研究に携わってきた著者が、『老子』が本当に伝えたかった生き方のヒントを明らかにする。
また、「山間で静養しつつ、心の平安を求めるのではなく、戦乱で明け暮れる現実社会に身を置き、悠然と生き抜いて真の勝者となる秘訣」は現代にも大いに役立つ。
「もっと穏やかに」「もっと豊かに」「もっと自然に」「もっと自由に」「もっと謙虚に」をテーマとした全5章を通読していくうちに、老子が理想とする「水」のような生き方が次第に見えてくる。
柔軟な心をもって、あらゆる現実に自然に対応していく力。
震災や不況など先の見えない不安な現代社会だからこそ、こうした力を養うことで、逞しく生きていけるのではないだろうか。
先人の叡知によって、新たな境地に到達したい。
<目次>
序 和をもって人生を歩む
第一章 「真実の道」を生きる――もっと穏やかに
第二章 心の平和を保つ
第三章 よりよい社会を築く知恵――もっと自然に
第四章 運命・境遇を受け入れて生きる――もっと自由に
第五章 「人生の達人」をめざす――もっと謙虚に
あとがき 老子の人となり