
人を育てる道
神渡良平
1,760円(税込) [会員割引価格:1,584円 ]
「超凡破格の教育者」と称された徳永康起先生。
三十代の若さで小学校の校長に就任するも
「教員の仕事は、教壇に立って教えることだ」
という信念から自ら一教師に戻り、
子供たちの教育にその身を捧げ尽くしました。
本書は、“伝説の教師"とも呼ばれる
氏の生き方や教育の原点に迫るのみならず、
数々の実話を通して「人を育てる極意」が
示されています。
特に印象的なのは、“炭焼きの子"と
同級生から馬鹿にされた柴藤清次さんの話。
家が貧しく、ろくに学校に通えなかった
という彼に、徳永先生は
「おい、清次君。今夜、宿直室に来い。
親代わりに、俺が抱いて寝よう」
と声をかけます。
このことを転機に柴藤さんは自らを変え、
自動車学校の優秀な教官となりました。
他にも、授業で使用する切り出しナイフを
同級生から盗んだ生徒の話では、
先生自ら新しいナイフを買い、
盗まれた子の机にこっそり戻しておく。
盗んだ生徒は自分を責めない先生を、
目に涙をためてじっと見つめていた、
という話も明かされています。
いかにその人の人間的価値を引き出し、
心に灯を灯し続けていくのか――。
人の上に立つすべての方に役立つ学びが
凝縮された一冊です。