内容紹介
兵庫県の小さな町で55年間、教職者として一生を捧げた東井義雄氏。
本書は平成20年に刊行以来版を重ねる『自分を育てるのは自分』に次ぐ講演録である。
本講演の底辺に流れるのは、氏の子どもたちに対する深い愛情だ。
子どもたちの性の問題や父親不在の家庭の話などを織り交ぜながらも、理想の母親像をおかめの面に譬えたエピソードなどを例に、家庭教育復興への願いを言葉に託している。
百千の灯あらんもわれを待つ灯はひとつ
東井氏によるこの歌には、一つでも多くの家庭が、子どもたちをやさしく包み込むような、温かい灯を絶やさないでほしいという深い祈りが込められている。
子どもたちにどう向き合えばよいかと悩む父母や教師が多い昨今、その処方箋として「教育界の国宝」と謳われた東井義雄氏のユーモア溢れる語り口から発せられる魂の言葉に心耳を澄ませたい。
<目次>
父母と教師は 今何をどのように
粗末な出会い
足裏揉みを通じて出会う
おじいさん、おばあさんとの出会い
親子の間
味方に出会うと子どもは変わる
内面に出会う大切さ
出会いがないと子どもをダメにしてしまう
教育熱心にもかかわらず……
自律を育てる
いつまでもついていってはやれない、他
父親は何をなすべきか 母親は何をなすべきか
出会うことの意味
出会いの中に人間のしあわせがある
人間らしさを育てる
教育の土づくり
子どもの希いに触れる
父親の責任
父親を子どもに届けるのは母親
父のない家庭であっても
母の生き様
○(まる)を見る稽古、他