内容紹介
本書は弊社から続けて刊行される森信三師「幻の哲学三部作」の一冊。
これまでの多くの著書で親しんできた教育者としての顔ではなく、
哲学者として「哲学とはいかなる学問であるか」を述べ説いています。
森師はまず哲学の本質を「自らの分の自覚にある」とし、
この命題を、『修身教授録』では
「人生の根本目標は、結局人として生をこの世に受けたことの意義を自覚して、
これを実現する以外ない」と分かりやすく解き明かしていますが、
本書ではこのテーマを西洋の哲学だけでなく、
日本の先哲の思想なども織り交ぜながら考察していきます。
最終章ではこの国で生を受けた意義を「自覚」した者が、
現実社会の学問や芸術、宗教といった面でいかに実現していくかが述べられています。
それはそのまま著者の学問や芸術に対する表白ともなっており、
森師の思想的背景が分かる一冊とも言えるでしょう。
目次
■序論
一 哲学の概念
二 哲学の史的概観
三 哲学の位相
四 哲学の方法
五 哲学の成約
■本論
本書の組織
第一編 実在の認識
序論
一 実在論
二 主観的観念論
三 客観的観念論
四 絶対的観念論
五 実在の認識
第二編 実在の本質
序論
一 物心
二 一多
三 時空
四 因果
五 実在の本質
第三編 実在の実現
序論
一 学問
二 芸術
三 宗教
四 道徳
五 実在の実現