内容紹介
35年もの歳月をかけ、『古事記伝』44巻を著した知の巨人・本居宣長。幻の書を千年の眠りから目覚めさせた学問的功績は広く知られていますが、本書では、宣長を一人の生活人としても捉え、志を成し遂げるための条件を学びます。
著者は宣長研究40年、本居宣長記念館館長を務める吉田悦之氏。「宣長に学ぶことは尽きることがない」という氏が、膨大な研究資料を丹念に読み込み、その学問的姿勢や、昼間は医師として生計を立てた生活姿勢を浮き彫りにします。
生まれた地や系図を徹底的に調べ上げ、自分の誕生の日まで遡って日記を書く。師・賀茂真淵との千載一遇のチャンスを逃さぬ情報分析など、その歩みには志を成し遂げるための強い意志や工夫が満ち溢れています。
学ぶとは真似ること。本書はその具体的ヒントを示して余りあります。宣長入門としても最適の書。