内容紹介
「人生の真のスタートは『人生二度なし』という真理をいかに深く痛感するかということから始まる」
この言葉に象徴されるように、易しく私たちの歩む道を説かれた森信三師だが、若き頃は、西晋一郎、西田幾多郎という日本を代表する哲学者に師事した、教育者であるとともにれっきとした哲学者でもあった。
本書は哲学者である森師としての著作で、師が確立した日本的哲学、「全一学」の入門書として四十三歳の時に記したものだ。高弟の寺田一清氏は「この一書に一代の哲学体系の萌芽のすべてが包含されている感がする」という。
本書は弊社から刊行される「幻の哲学三部作」の第一弾で、哲学者として世に問うた著作であるだけに、非常に読み応えのある一冊となっている。味読することで遥か高みにある師の精神性と「人生二度なし」の背後にある深い思索の跡が垣間見えてくることだろう。
目次
序章
一 実在と自覚
二 所照の自覚
三 知行論
四 時空論
五 万有の秩序
六 悪の問題
七 実在と歴史
八 肇国即開闢