内容紹介
平成10年の刊行以来、大反響を呼んだ『おじいちゃん戦争のことを教えて』に続く第2弾。
前著は、当時父親の転勤に伴いアメリカの高校に通っていた
孫娘・景子さんが、歴史の授業の課題で
「おじいちゃんの戦争体験を聞きたい」
と、著者へ送った16項目の質問状に対する回答を一冊にまとめたもの。
その続篇に当たる本書は、その後、アメリカの女子大学に進み、
学生寮に暮らす孫娘と著者との、往復書簡である。
“他民族国家”アメリカの女子大学生寮で、
韓国人のルームメイトと暮らし始めた景子さんは、
次第に「民族とは何か」という素朴な問いを持つ。
一方、著者は母親に送られてくる孫娘からのメールの文章が気になって仕方がない。
英語交じりの日本語。
それに「……とゆーわけ」等の表現。
著者は孫娘に直筆の手紙でのやりとりを命じ、そしてその質問に答えていくのである。
全体は、民族、教育、歴史をキーワードにした3章構成。
その中で、国家とは何か、公と私、日米の教育の違い、歴史の公準、教科書問題、
などが取り上げられ、おじいちゃんの思いが語られ、孫娘の感想、成長する姿が描かれている。
本書の序文には、
「これは恋文である。懸命に呼びかける相手は、21世紀の日本である」
とある。
そして、本書の末尾に収録する手紙には、
「日本人であること。その意識を強く持って生きていってほしい」
と記されている。
目次
第一章 民族について考える
第二章 教育について考える
第三章 歴史について考える