いかに人物を練るか
本

いかに人物を練るか

安岡正篤

1,944円(税込)

9784800911483

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内容紹介

 大正13年、安岡正篤師が海軍大学校で、海軍将校を前に、1年あまり講じた「武士道哲学新論」。
 弱冠27歳の安岡師が説いた“指導者たる者の心得”を、山元五十六中佐(後の元帥)など40数名に及ぶ海軍エリート将校らが聴講したといいます。
●目次●

第1講 序論
武士道哲学新論とは/憂うべき精神生活の頽廃/今こそ士学を発揚す

第2講 鎌倉時代の精神的復活
鎌倉武士を支えた禅/信仰の遊戯化/他力本願――法然と親鸞/浄土門の根柢とは

第3講 禅の武士的精神
禅の心要(1)/禅の心要(2)/坐禅と公案

第4講 道元の禅風
栄西から道元へ/人格の展開/その生涯(1)/その生涯(2)/悟りということ/入道の心得とは/養晦の心がけと賓主の礼/円満なる戒行/禅と武士との契合

第5講 宮本武蔵の剣道と心法
剣道の根柢とは/その術域/その道域/「独行道」十九箇条/『五輪所』と二天一流の眠目

第6講 山鹿素行の士道論
士の理想精神とは/その生涯/心術――いかに人格を涵養すべきか

第7講 副島種臣と中庸の哲学
学問と人格/儒教の根本問題/中庸は士の学なり

第8講
不朽の生命と不断の瀕死/死の覚悟と念々の誠/物の世界より人格の世界へ/国土の人格的意義/天皇と国家●著者紹介●

安岡正篤(やすおか・まさひろ)明治31年大阪市生まれ。大正11年東京帝国大学法学部政治学科卒業。昭和2年(財)金鶏学院、6年日本農士学校を設立、東洋思想の研究と後進の育成に努める。戦後、24年師友会を設立、政財界のリーダーの啓発・教化に努め、その精神的支柱となる。その教えは人物学を中心として、今日なお日本の進むべき方向を示している。58年12月逝去。著書に『いかに生くべきか――東洋倫理概論』『日本精神の研究』『王道の研究――東洋政治哲学』『人生、道を求め徳を愛する生き方――日本精神通義』『経世瑣言』ほか。講義・講演録に『人物を修める』『易と人生哲学』『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』『青年の大成』などがある(いずれも致知出版社)。「今こそ士学を発揚す」と安岡師は士道の根本原理を明らかにし、武士道精神を鼓吹。鎌倉武士の精神や道元禅師、宮本武蔵の剣道と心法、山鹿素行の士道論などに言及し、いかに人格を涵養すべきかを説きます。
 興味深いのは、講述がなされた大正末期と、現在の日本の置かれた状況が酷似していること。隣国が台頭し膨張を図る中、我が国のあり方、国民一ひとりの姿勢が問い質されていると言えるでしょう。
「ちょうど現在は、国体観念の最も乱れている時であろう」と安岡師。90年余の歳月を隔て、その言は深く胸に突き刺さります。