『安岡正篤活学選集』特設ページはこちら
「安岡正篤先生の名前は知っていても、本はまだ読んだことがない」
「著書が多く、どの本から読めばよいか分からない……」
といったお声をよくお聞きすることがあります。
このたび、致知出版社では、安岡教学の教えを
後世へと伝えていくべく、
若い世代にもこれだけはぜひ読んでいただきたいという
代表的良書10巻を選ばせていただきました。
人間学を一筋に探求してきた月刊『致知』の
創刊40周年を記念して刊行された『安岡正篤活学選集』。
”人間学の宝典”とも呼べるこの選集を、
ぜひ皆さまの座右に置き、
繰り返し紐解いていただければと願っています。
収録書籍
第1巻『人物を修める』
昭和52年、住友銀行の幹部の教養を高めるべく、安岡先生に懇請――
10回にわたり行われた講座を一冊にまとめたもの。
安岡教学の真髄が盛り込まれ、儒教、仏教、老荘思想を総ざらえしながら、
人はいかに人物を修めたらよいかを説いている。
第2巻『先哲講座』
近畿鉄道株式会社の懇請に応じ、昭和41年以来14年にわたり
幹部社員に対する講義を続けられたが、その中から6年分の内容を収録したもの。
安岡先生の講義は「遊講」と呼ばれ、東西古今の先哲について、
説き来たり、説き去って悠遊自適、大河の趣きがあったという。
本書はその典型とも言える一書。
第3巻『易と人生哲学』
近畿日本鉄道株式会社の要請に応じ、
その幹部教育の講師として講じられたもののうち、
『易経』入門の手引きとして講じた講義録である。
四書五経の経書の中でも、最も難解な書とされる『易経』を、
安岡先生がその造詣を傾けて講義された貴重な記録。
第4巻『呻吟語を読む』
昭和46年に全国師友協会主催の照心講座において
連続講義されたものの講録である。
『呻吟語』は、明治の大儒・呂新吾先生の語録。
全部で17章・1976条からなる浩瀚な大著だが、
本書では、安岡先生がその中から現代人にとって
最も適切と思われるものを抄出されて講義されたもの。
第5巻『立命の書「陰しつ録」を読む』
人生には、宿命、運命、立命がある。
いかにして人生を立命となすか。
その極意を説いたのが、「陰しつ録」にほかならない。
陰しつ録を一貫しているものは、人間は、運命とか宿命というものを、
自らの道徳的努力によって、立命に転換してゆくことができるという思想である。
第6巻『経世瑣言<総篇>』
『経世瑣言』は、わが国が最も困難に直し指導者層も苦慮を重ねた時代、
いわば疾風怒涛の大激動期、昭和9年から19年の国難の時代において、
安岡先生が指導者層のために執筆・論考した「時務論」時局観等の名論卓説を集録。
『経世瑣言』は、時務論であるが、人間形成の人物論でもあり、
安岡教学を代表する傑作ということができよう。
第7巻『いかに生くべきか』
昭和4年、32歳の若き安岡正篤先生の著。
昭和2年、安岡先生は、東京小石川聖賢講学のための研究所・金鶏学院を
開校されたが、この学院に学ぶ青年たちのために書かれた。
和・漢・洋の古典と歴史に立脚した「活きた人物学」「実践的人間学」と
一括される安岡教学を代表する名著といえよう。
第8巻『青年の大成』
昭和38年、日光の田母沢会館で開催された全国青年研修大会において、
安岡正篤先生が4日間にわたって講義された内容を採録。
安岡先生の主著が、浩瀚なものが多い中では、珍しく小品であるが、
安岡教学の神髄が心を籠めてしかも平明に
説き尽くされている名著ということができよう。
第9巻『経世の書「呂氏春秋」を読む』
『呂覧』は、『史記』では、『呂氏春秋』と名付け、
春秋戦国時代の「諸子百家」の名言・卓論を集めた百科全書とも言うべき
古典の代表的文献として知られている。
本書は、安岡正篤先生が、経世の書『呂氏春秋』と読むと題して、
その中から名言・卓論を選び出し、5回にわたって活学講話されたものを
まとめたものである。
第10巻『人間を磨く』
全国師友協会の機関誌『師と友』の巻頭言として、
安岡正篤先生が、古今東西の古典と歴史から集録した名言・卓説を引用し、
永年にわたって綴られた珠玉のような文章を集め、再編集したもの。
古今の金言が本書の素材となっており、繰り返し熟読頑味して、
人生を味わい自己を深めていくよすがとしたい名著である。
※荒井桂氏の解説小冊子より一部抜粋