内容紹介
海外との交流が盛んになってきた19世紀末、キリスト教指導者内村鑑三が「日本人にもこんな人物がいる」と世界に伝えようと英語で書いたのが本書だ。
その日本人の代表として取り上げたのは西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人。
維新の立役者、藩主、農民、儒学者、僧侶と、その人選のバランスに著者の慧眼を感じる。
その5人の生い立ちから時代の中で果たした役割、私生活までが過不足なく語られる。
とりわけその内面を当時の欧米人にもよく分かるよう、聖書の言葉や歴史的人物を例に出しながら解説している。
本書が書かれたのは百年以上前のことだが、そこに書かれていることは決して古色蒼然とはしていない。
それはできるかぎり現代の言葉に置き換えた翻訳の力もあるだろう。
同時に、ここに書かれた5人の生き方が「代表的日本人」として現代にも通じるということに他ならない。
<目次>
西郷隆盛 新しい日本の創設者
上杉鷹山 封建藩主
二宮尊徳 農民聖者
中江藤樹 村の先生
日蓮上人 仏教僧侶
解説 「日本人とは何か」を考えるには、外からの視点も不可欠