内容紹介
円覚寺では毎週日曜日に坐禅会が開かれ、
毎回数百名もの参加者があるが、
坐禅の後の横田南嶺管長の話を楽しみに参加する人も多い。
その話は坐禅や仏、名僧の話など様々だが、
話を聞きながら涙する人も少なくない。
それほどに人々の心に響く話をされる管長が、
円覚寺ゆかりの禅僧や深く影響を受けた七人の禅僧について語る。
登場するのは円覚寺を創建した無学祖元を始め、
臨済宗の中興の祖・白隠禅師、その白隠を育てた
正受老人といった禅僧たちだ。
著者にとって師ともいえる僧たちの、残した言葉や偈(詩)、
歌などを交えながら、その生涯を紹介していく。
「学術書ではなく、七人の禅僧の志と願い」を語ったと述べるとおり、
名僧たちが苦悩し、厳しい修行の末に開悟する姿が描かれる。
たった一度の人生に、命の炎を燃やし、
その生を見事に生き切った禅僧たち。
七人の熱い息吹が文字の向こうに甦ってくるようだ。
目次
第一講 無学祖元 ―― 円覚寺の「泣き開山」
第二講 夢窓疎石 ―― 世界を自分の寺とする
第三講 正受老人 ―― 正念相続の一生涯
第四講 白隠慧鶴 ―― いかにして地獄から逃れるか
第五講 誠拙周樗 ―― 円覚寺中興の祖
第六講 今北洪川 ―― 至誠の人
第七講 釈宗演 ── 活達雄偉、明晰俊敏