内容紹介
二宮尊徳四大門弟の一人として、七年にわたり師に随身した斎藤高行が、
晩年を迎えた尊徳の言行をつど記録して生まれた語録集『二宮先生語録』。
「『二宮翁夜話』にまさるとも劣らない内容を有する語録」と称されながらも
長らく絶版となり、加えてすべてが漢文で記されていたために世に広まることがなかった
幻の名著が分かりやすい現代語訳となって甦りました。
本書は、尊徳が遺した四百七十一の語録を五つの巻に分けて詳述。
「読書は縦糸、実践は横糸」「指導者は己に克って分を譲れ」
「世のために尽くせばおのずから衣食あり」「わが道は実行にある」など、
『論語』や『中庸』、『大学』などの言葉を引用しながら、上に立つ者の心得や
政治のあるべき姿のみに留まらず、万人が人生を幸せに生きるための
心構えがやさしく解かれています。
日本人が立ち返るべき先人の訓えが鏤められた本書は、
かつてない不安と混沌の時代を迎えたいまこそ、各人の貴重な指針となってくれることでしょう。
なお、本書を尊徳翁語録の二大源泉をなす『二宮翁夜話』と併読することで、
その訓えの真髄に迫ることができるはずです。